Blenderでアニメーションのプレビュー中に「fpsが赤くなってしまった!」という経験はありませんか?
fpsが赤い状態は、Blenderでの処理が重くなり、アニメーションのリアルタイム再生が設定したフレームレートに追いついていないサインです。
この問題が発生すると、正確なアニメーションプレビューが困難になります。
初心者の方にとっては「何が原因で、どうすれば改善できるのか?」と戸惑うことが多いでしょう。
私もBlenderでアニメーション作品をメインに作成しているので、この状況によく遭遇します。
この記事では、Blenderでfpsが赤くなる主な原因と、初心者の方でもすぐに実践できる解決方法を分かりやすく解説します。
パソコンのスペックや設定の問題、そしてプロジェクトの軽量化のポイントまで幅広くカバーしているので、ぜひ最後までご覧ください。
Blenderでfpsが赤いとはどういう状況?
まずはBlenderでfpsが赤い状態が何を意味しているのかを確認しましょう。
Blenderではアニメーションを再生すると、fpsが画面の左上に表示されます。
しかし、再生したアニメーションが設定したフレームレートに追いつかない場合は、fpsは3Dビューポート上で赤く表示されます。

これは、以下のような状況を意味します。
- アニメーションの再生が実際より遅い速度で表示されている。
- 動きに遅延が生じており、正確な動作確認ができていない。
この現象は初心者の方だけでなく、ある程度アニメーションの作成に慣れていても頻繁に遭遇します。
fpsが赤い場合、どれだけ綺麗にアニメーションを作成していても仕上がりが確認しづらく、作業効率が大きく低下してしまいます。
ただし、fpsが赤い状態はプレビュー上の問題にすぎません。
実際にレンダリングされたアニメーションには影響しないのでご安心ください。

注意が必要なのは、赤いfpsに合わせてキャラクターや物体の動きを速くしてしまうと、完成したアニメーションでは動きが不自然に速くなってしまう点です。
でも、心配する必要はありません。
次のセクションでは、初心者の方でもすぐ試せる、具体的な原因と解決策を詳しく解説します。
Blenderでfpsが赤くなる原因
Blenderでfpsが赤くなる原因は主に以下の7つです。
Blenderでfpsが赤くなる原因
- パソコンのスペックが低い
- レンダリングエンジンの設定
- ハイポリのメッシュの使用
- 処理が重いマテリアルの使用
- 物理演算
- 不要なオブジェクトの存在
- HDDの使用
それぞれの原因を理解し、適切に対処することで、Blenderのパフォーマンスを改善できます。
パソコンのスペックがfpsに与える影響
BlenderにはCPU、GPU、メモリなどの性能が重要です。
これらが不足していると、fpsが追いつかなくなり、ビューポートでフレームレートが赤く表示される原因になります。
特に、高解像度のシーンや複雑なアニメーションではスペックがパフォーマンスに直結します。
Blenderのレンダリングエンジン設定がfpsに与える影響
BlenderではCyclesなどの高度なレンダリングエンジンを使用していると、3Dビューポートの処理が遅くなる場合があります。
この設定がfpsに与える影響を正しく理解し、軽量なEeveeに切り替えることでパフォーマンスが向上します。

ハイポリのメッシュがBlenderでfpsを赤くする理由
Blenderで高解像度のポリゴンモデルを操作すると、処理負荷が増加し、fpsが赤くなることがあります。
特に、必要以上に詳細なモデルを使用している場合、ローポリモデルへの切り替えが効果的です。
処理が重いマテリアルがBlenderのfpsに与える影響
Blenderではノードが複雑なシェーダーや大きなテクスチャを使用すると、描画負荷が増加し処理が遅延する原因になります。
結果として、フレームレートも赤く表示されます。
マテリアルをシンプルな設定に変更することで、パフォーマンスを大幅に改善できます。
物理演算がBlenderのfpsを低下させる理由
Blenderのクロスシミュレーションや流体シミュレーションなどの物理演算は、多くの計算を必要とするためfpsに影響します。
これらをベイク処理することで、処理負荷を軽減できます。
不要なオブジェクトがBlenderのfpsに与える影響
Blenderではシーン内に不要なオブジェクトや未使用のデータがあると、処理負荷が高まり、fpsが赤く表示されることがあります。
不要なデータを整理することでパフォーマンスが向上します。
HDDを使用するとBlenderのfpsが赤くなる理由
Blenderでは物理演算のベイク結果などをディスクから読み込みます。
この時にデータの転送速度が遅いHDDを使用していると、fpsが低下する原因になります。
この場合はSSDへの切り替えが効果的です。
次のセクションでは、これらの原因に対応する具体的な解決策を詳しく説明していきます。
Blenderでfpsが赤い時の解決方法
Blenderでfpsが赤くなってしまった時の解決方法について、具体的なステップを以下に示します。
アニメーションの同期方法を変更する
Blenderでfpsが赤い場合、まずはアニメーションの同期方法を変更してみましょう。
デフォルトでは「Play Every Frame(毎フレーム再生)」になっていますが、これを「Frame Dropping(コマ落とし)」や「Sync to Audio(音声に同期)」に変更することで、fpsが安定することがあります。
- Play Every Frame (毎フレーム再生):
アニメーションの再生速度が意図したよりも遅くなっても、すべてのフレームを再生します。 - Frame Dropping (コマ落とし):
再生がシーンのフレームレートに追いつかない場合、フレームを飛ばします。 - Sync to Audio (音声に同期):
再生が遅すぎてオーディオとの同期を維持できない場合、フレームを飛ばします。
各設定の動作はBlenderの公式マニュアルにも記載がありますのでご覧ください。
Sync(シンク)
アニメーションの再生が希望のフレームレートに追いつかない場合、実際のフレームレート(3Dビューポートの左上隅に表示)は赤くなり、Sync(同期)オプションがその状況をどのように処理するかを決定します。
Play Every Frame(毎フレーム再生)
アニメーションの再生速度が意図したよりも遅くなったとしても、すべてのフレームを再生する。Frame Dropping(コマ落とし)
Playback(再生)がシーンのフレームレートよりも遅くなった場合、フレームをを飛ばします。Sync to Audio(音声に同期)
Playback(再生)が遅すぎてオーディオとの同期を維持できない場合、フレームを飛ばします。
ビューのシェーディングモードを変更してリアルタイム再生を改善
Blenderのfpsが赤い原因が重いマテリアルにある場合、シェーディングモードを「ソリッド」または「ワイヤーフレーム」に変更することで、処理負荷を軽減しfpsを改善できます。
これはパソコンのスペックが足りない場合に特に有効な対応方法です。
不要なオブジェクトをビューレイヤーから除外する
Blenderでfpsを改善するには、不要なオブジェクトを単に非表示にするだけでなく、完全にビューレイヤーから除外することが重要です。
ビューポート内で表示するオブジェクトを必要最小限にすることで、fpsが向上します。
しかし、Blenderでは非表示にしたオブジェクトもView Layer(ビューレイヤー) の一部となるため、再生のパフォーマンスに影響を与えます。
その為、不要なオブジェクトは、コレクション化してビューレイヤーから除外することを検討してください。
Visibility(可視性) (目アイコン)
3Dビューポートでのオブジェクトやコレクションの表示を切り替えます。これはファイルローカルな設定であり、このデータブロックが別のblendファイルにリンクされている場合はインポートされません。
この方法で非表示にされたオブジェクトは、引き続き View Layer(ビューレイヤー) の一部であり、評価されるため、再生のパフォーマンスに影響を与えます。
以下の画像を参考に不要なオブジェクトはコレクションにまとめ、ビューレイヤーから除外しましょう。

物理演算をベイクする
クロスや流体シミュレーション、パーティクルなどのBlenderの物理演算は、ベイク処理を行うことでリアルタイム計算の負担を軽減できます。
物理演算を多用しているアニメーションでは、ベイクだけでもfpsが大幅に改善することがあります。

レンダリングエンジンを変更する
Cyclesを使用している場合、軽量なEeveeに切り替えることでfpsを改善できます。
また、サンプリングの設定でビューポートの「サンプル数」を減らすことで、さらなる負荷軽減が期待できます。

プロジェクトファイルをSSDに保存する
プロジェクトファイルをHDDではなくSSDに保存することで、データの読み込み速度が向上し、fpsが安定します。
これにより、リアルタイム再生中の読み込み遅延が大幅に減少し、アニメーションプレビューがスムーズになります。
特に、Blenderの一部の物理演算(ダイナミックペイントなど)はディスクにベイク結果を保存するため、SSDの使用が推奨されます。
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ビューポートレンダリングを使う
Blenderの「ビューポートレンダリング」は、シーン全体をレンダリングせずに、現在のビューポートの状態を直接確認できる機能です。
この機能を使うことで、処理負荷を軽減し、リアルタイム再生が困難なシーンでも効率的にアニメーションのプレビューを行えます。
これは処理が重くリアルタイム再生できないアニメーションのプレビュー方法として、マニュアルにも記載されている方法になります。
Viewport Rendering では、3D Viewport のレンダリングを通して、手早く プレビュー のレンダリングを行います。
これを行うことで、アニマティック (オブジェクトの動きや角度の相互関係など) を検査できます。
また、シーンが複雑すぎてシステムが 3D Viewport でのリアルタイム再生をできない場合に、アニメーションをプレビューするためにも使用できます。
さらに詳しい設定方法や手順については、Blenderビューポートレンダリングの全手順を画像付きで解説をご覧ください。
Blenderでfpsが赤い時の対処法 ~まとめ~
Blenderでfpsが赤くなる問題は、処理負荷が高い場面で発生する一般的な現象ですが、適切な対処を行うことで改善が可能です。
本記事で紹介した対処法をまとめると以下の通りです:
- アニメーションの同期方法を変更して、再生速度を調整する。
- シェーディングモードを「ソリッド」や「ワイヤーフレーム」に変更して負荷を軽減する。
- 不要なオブジェクトをビューレイヤーから除外して、ビューポートの負担を減らす。
- クロスや流体シミュレーションなどの物理演算をベイクして処理を効率化する。
- レンダリングエンジンをCyclesからEeveeに切り替えるか、サンプル数を調整する。
- プロジェクトファイルをSSDに保存して、データ読み込み速度を向上させる。
- ビューポートレンダリングを活用して、アニメーションのプレビューをスムーズに行う。
これらの方法を組み合わせることで、fpsが赤い状態を改善し、Blenderでの作業効率が大幅に向上します。
状況によってはfpsが10~15程は改善できますよ。
初心者の方は、手軽に試せる方法から順に実践してみてくださいね。
また、Blenderの公式マニュアルも参考にすると、問題解決の幅が広がります!
継続的な学習を通じて、より快適な制作環境を整えましょう!
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