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Blenderの各バージョンに互換性はあるの?

今回はBlenderの各バージョン間での互換性の話です。

Blenderが公式として発表としている見解と、私の実体験の両方から説明したいと思います。

Blenderのバージョンの互換性
  • 公式としてはバージョンの互換性を可能な限り維持すると発表している
  • 実際のBlenderのバージョン間の互換性は微妙
  • 別バージョンのBlenderで作成したファイル(.blend)を開く場合はバックアップ推奨
    (特に新バージョンのBlenderで作成したファイルを古いバージョンで開く場合)
  • ファイル名に作成したBlenderのバージョンも含めておくと間違いが防げる
目次

Blenderはバージョン間の互換性を可能な限り維持している

Blenderのバージョン間の互換性ですが、公式としては以下の様に、可能な限り維持すると発表しています。

Compatible
Blender strives to keep compatibility with older and even future versions as much as possible. Sometimes new features require breaking changes, here is an overview of all compatibility changes.

引用:System Requirements for Blender

また、Blenderで作成されたファイル(.blend)の互換性については次の用に発表しています。

Blender strives to guaranty a complete backward compatibility, with some very rare exceptions.

Any crash or file corruption caused by loading a file saved with an older version of Blender is considered as a severe or critical bug.

引用:Blend File Compatibility -Backward Compatibility

Breakages in forward compatibility context are unavoidable. Blender strives to ensure that no critical file corruption or crashes happen in such case, and that the user is properly warned when an action is expected to lead to loss of data (e.g. by opening and saving a newer .blend file with an older version of Blender).

引用:Blend File Compatibility -Forward Compatibility

英語ばかりなので簡単にまとめますと。

下位互換性

下位互換についてはごくまれな例外を除き、完全な下位互換性を保証するよう努めている。

以前のバージョンの Blender で保存されたファイルをロードすることによって発生する、クラッシュやファイル破損は、重大なバグとみなされます。

下位互換性とは

古いバージョンのBlenderで作成したファイルを新バージョンのBlenderで開く場合

上位互換性

上位互換性ではデータの破損は避けられない。

なので、データが失われると予想される場合 (古いバージョンの Blender で新しい .blend ファイルを開いて保存する場合など) は、ユーザーに適切な警告が表示されるように努めている。

上位互換性とは

新バージョンのBlenderで作成したファイルを古いバージョンのBlenderで開く場合

Blenderはバージョン間の互換性を可能な限り維持する努力はしています。

古いバージョンのBlenderで作成したファイルを新しいバージョンのBlenderで開く場合は、ほぼ問題は起きないように努めている。

しかし、新バージョンのBlenderで作成したファイルを古いバージョンのBlenderで開く場合は、データの破損はさけられない。

なので、できるだけ警告などを出すようにしているということですね。

Blenderのバージョンの互換性 ~実際のところ~

Blender公式が発表している、バージョン間の互換性はご理解いただけたかと思います。

ということで、次は私がユーザーとして使ってみた、実際のBlenderのバージョン間の互換性についての話です。

基本的には公式の発表通りですが、下位互換性については多少違った感想となります。

結論としてはBlenderのバージョン間の互換性は微妙です。

別バージョンのBlenderで作成したファイルを開く場合、あらかじめファイルのバックアップを行うことをお勧めします。

Blenderのバージョンの上位互換性

上位互換性はBlender公式のいう通りです。

新バージョンのBlenderで作成したファイルを古いバージョンのBlenderで開いた場合は、結構な確率で問題がおきます。

私が実際に体験した問題は次のような物です。

上位互換性で起きた問題
  • 作成したマテリアルの破損。
  • ウェイトデータが消える。
  • ジオメトリーノードがエラーを起こす。
  • 作成したポーズの消失

上位互換性で発生した問題の詳細は『Blenderは旧バージョンで開くとどうなる?』をご覧ください。

新機能を使って作成したファイルは、古いバージョンのBlenderでは対応できないので、当たり前といえば当たり前ですね。

ただ、これもファイルを保存せずに閉じてしまえば、データの破損は防げることが多いです。

Blenderのバージョンの下位互換性

下位互換性もBlender単体では公式の発表通りです。

古いバージョンのBlenderで作成したファイルを新バージョンのBlenderで開いた場合でも、特に問題が起きたことはありません。

ただ、下位互換性で問題になるのがアドオンの存在です。

アドオンとは?

Blenderが公開しているAPIを利用して作られた、Blenderの拡張機能のこと。

Blender本体にはない、便利な機能が追加できます。

無料の物から有料の物まで、色々なアドオンがあります。

アドオンは有志の方が作成されているので、新バージョンが発表されてから、そのバージョンに対応するまでにしばらく時間がかかります。
(場合によっては何年まっても対応されない物もあります)

その為、新バージョンに対応していないアドオンを使って作成したファイルでは、正常にデータが表示されないことがあります。

このようにBlenderでは、上位互換性、下位互換性共に問題が起きる可能性があります。

ですので、バージョンの違うBlenderでファイルを開く場合には、あらかじめファイルのバックアップを行うことをおすすめします。

ファイル名に作成したBlenderのバージョンを入れておくと便利です!

別のバージョンで開くような間違いが防げます。

Blenderの各バージョンの互換性 ~まとめ~

今回はBlenderの各バージョン間での互換性についてでした。

Blenderのバージョン互換性のまとめ
  • 公式としてはバージョンの互換性を可能な限り維持すると発表している
  • 実際のBlenderのバージョン間の互換性は微妙
  • 別バージョンのBlenderで作成したファイル(.blend)を開く場合はバックアップ推奨
    (特に新バージョンのBlenderで作成したファイルを古いバージョンで開く場合)
  • ファイル名に作成したBlenderのバージョンも含めておくと間違いが防げる

Blenderの各バージョンで変更された互換性については、以下にもまとめられています!

興味があればご覧ください。

Blender ーCompatibility Changesー

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この記事を書いた人

Blenderでオリジナル・アニメーションを作っています。
愛犬がモチーフの作品が多め。

また、Blender作品集の展示場所として、メタバースのワールド制作もしています。

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